器具・器材・リネン類の洗浄・消毒・滅菌
- 以前、器具の消毒に使用していたステリハイド廃止の件で相談をし、
内視鏡以外はステリハイドを使用しないことになりました。
しかし、洗浄の時、水では落としきれない皮脂汚れに使う洗浄は、
何を使ったらいいのか迷っています。本には、洗剤または酵素洗剤と
書いてありますが、具体的に何を使ったらいいのかを教えてください。
- ご質問が内視鏡の洗浄に関するものか、内視鏡以外に関するもの
か解りかねましたので、念のため、その両者に回答いたしました。また、
ご要望により商品名を列記いたします。
a. 内視鏡
@ 内視鏡の外側の皮脂汚れの洗浄は、エス・クリーン60(クリーン
ケミカル)などの酵素洗浄剤に30分浸漬するのが良いと思いま
す。市販の中性洗剤は、内視鏡のメーカーが使用による損傷を
懸念していますので使わない方が無難でしょう。
A 内視鏡の内腔については、酵素系洗浄剤のステリザイム(丸石
製薬)を100倍希釈したものの約200mlを一回の洗浄に使用し、
最初に内腔を2〜5分浸漬してから洗浄ブラッシングし、洗浄剤→
流水→空気→洗浄剤→流水→空気→と、チャンネル内を含め、
洗浄液がなくなるまで3回以上反復洗浄しています。
【ご参考】
当院では、内視鏡の内外を上記の@、Aで洗浄した後、内視
鏡洗浄装置(OER:オリンパス)にかけております。
ステリハイドは廃止して、ディスオーパ(0.55%フタラール;ジョンソ
ンアンドジョンソン)で消毒しております。(FDAは20℃・12分間を
もって高水準消毒と承認しています)。
また、一日の最後は、中を無水アルコールで流し、乾燥させてお
ります。
b.一般器具
内視鏡と同等のセミクリティカル器具に対し、薬剤を用いた消毒の
前に中性洗剤や酵素洗剤で行う一次洗浄に用いられる薬剤を列挙い
たします。 サイデザイム(J&J)、テリザイム(上述)、エス・クリーン60
(上記)、ドクター2000カッツイット(エルクコーポレーション)、55クリン
キーパー(花王)、バイオテクト55(サクラ精機)が知られています。
【ご参考】
当院では、1995年からウォッシャー・ディスインフェクターを導入
しており、現在いわゆる一次洗浄を行っておりません。器材をウォッ
シャー・ディスインフェクターにかける前の処置としては、器具使用
現場でカッツイット(上記)を噴霧したり、エス・クリーン60(上記)に
漬け置いたりしています。